別れと後悔と、カメレオンと
【世界のすべてのさよなら 白岩玄】
ー流れていく時間や人の中で、変わるものと変わらないもの
30歳になった4人の同級生のお話。
一人ずつを切り取った4つの構成。
短編ではなく、お話ごとに関係性があったりして読み進めると当時に時間も流れていきます。
仕事も結婚も真摯に向き合おうとする_悠
ダメ男に振り回されて本当の幸せを模索する_翠
画家としてひたむきに突き進む_竜平
自分と向き合いながら生きる_瑛一
4人が4人とも悩みを抱えていて、もがき続けている真っただ中。
別れや後悔....一難去ってまた一難。
ぶっちゃけありえない♪
じゃなくて。
そういった、時間の流れや人の流れが非常に鮮明に読み取れる。
でもなぜか過ぎていくからこそ愛おしく感じることもあるなぁとも思ったの。
日々変化していく時間や人
その中でも変わらない4人の関係性
非対称的な部分が更にお話を引き立てる。
「人生は痛みによってそれらしくなっていくんだよ」
”痛み”かぁ...
翠がたくさんダメ男に出会ったことも、
竜平が足を切断する少女に出会ったことも、
瑛一が悠に、悠が瑛一に出会ったことも、
その人たちと過ごした時間も”痛み”になるのかな....
それなら私の”痛み”ってなんだろう。
これからも”痛み”を負いながら歩いていくのだろうか。
誰も自分の明日なんてわからないから、
過去にも未来にも囚われずに、きっと今を大事に生きなくちゃよね。
(と言いつつ、堅実に貯金をしているのであった。)