ラストレター
【ラストレター 岩井俊二】
ー手紙でつながる過去と未来
未咲は死んだ。
そのことを知らずに中学の同窓会に参加した_鏡太郎と、
未咲乃フリをして同窓会に参加した未咲の妹_裕里
同窓会が終わった後、ひょんなことから裕里の鏡太郎への一方的な文通が始まる。
鏡太郎は送り主が未咲本人ではなく裕里であることを解っている。
かく言う裕里はそんなことともつゆ知らず、未咲として手紙を送り続ける。
切ない。
鏡太郎が未咲を想い続けていること。
そんな未咲の言葉を信じて小説家になり、未咲のお話を書いていたこと。
そしてその未咲が死んだこと。
とにかく切ない。
人が亡くなった時、悲しいという感情よりも虚無が勝るのだろうか。
登場人物みんな未咲が亡くなって悲しいとか、辛いとか、涙を流す描写がその時になかったから...
でも深ーーーーくにはきっとあるような気がしていて、それがそれぞれの”手紙”って形になったのかしら。
裕里だけでなく、娘の鮎美や颯香も。
未咲は遺書になぜ答辞を残したのかしら。
意図せず鏡太郎や裕里や娘たちの想いに応える形になったのだろうか...
言葉足らずな私の浅はかな考えでごめんなさい。
亡くなった人を想い続ける限り、
その想いが引き継がれる限り、
裕里が言うように心の中にいてくれるのかな。
そうだったらいいなぁ
なんて、私も想うのです。