ワタシノアタマノナカ

大人の読書感想文

9月

こんばんは🌜

 

最近になって全然読書ができていません。

悲しい。

 

というよりあまり字を追う気になれない。

というのが本音。

 

勉強と体づくりがメインになってしまって、

読書が二の次に。

 

ダブルタスクもままならないのに、

トリプルも四つも五つも無理だってばよ。

 

そいでもって、来週から新しい環境へ踏み出さねばならぬ。

今から不安と緊張で汗びっしょりよ。

 

通勤時間にでも本が読めればいいなぁ。

なんて、

朝早く夜遅いと思われるため、夢の中の確率は高い...

 

今月読んだ素敵な本たちでした。

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えんどうまめの上にねたおひめさま

【豆の上で眠る  湊かなえ

 

ーホンモノ?それとも、ニセモノ?

 

前回に引き続き、連続湊かなえさん。

湊かなえさん祭り開催中。

あまり今日は字を追いたくないかも...って日でも、ちょっと読み始めた途端に物語の中に引きずり込まれる。

あのー、魔法でもかけてます?🧙

 

おっと失礼、『豆の上で眠る』ですが、

夏休み、神社で遊んでいた姉妹の姉_万佑子が家に帰る途中で行方不明になった。

妹_結衣子はある”違和感”を抱えながら13年が経ち、帰郷する...

ところからお話が始まる。

 

いや、もう、驚愕の「第六章」。

行方不明だったはずの真佑子が大人の姿で平然と登場してるから第一章から驚いてはいたけど、そんなことも吹き飛ばすラスト。

主に妹の結衣子視点でお話が進んでいくから、つられて自分もずっと何かに引っかかって考えてはいたものの。

その一つも、二つも、いや百も先の答えだった...

答えの先にもまた答えがあって、もう勘弁してくださいよ~と心の中では少し思っていたりもした。

 

一見ただの誘拐事件の真相解明のお話だけども、

家族(ましてや姉妹)視点で描かれているのがなんともリアル。

 

それもまた子供の視点だからなのか、

他人がみんな嘘をついているように感じられる。

まるで仮面を被っているかのようにね...

 

一度疑念が生まれると、それが違和感となってこびりついて離れない。

誰よりも近い存在のはずだった姉が、一番不気味よね...

 

本ものって、何ですか。

と終わったように、私の本ものも何ですか。

知ってる人いませんかね。

教えてくださいな。

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夜行観覧車

夜行観覧車  湊かなえ

 

ーザ・家族ミステリーに巻き込まれていく

 

でで、で、でました。湊かなえさんです。

イヤミスの女王、湊かなえさん。

み、湊かなえさん。

 

中学生の頃に『告白』を読み、幼いながらにゾッとしたのを今でも覚えています。

そんな湊かなえさんの作品が読みたくなって手にとった『夜行観覧車

これもおもssssssっしろいのなんの...

(今更こいつ何言ってるのか問題よね謝罪)

 

高級住宅街で起きた殺人事件を、向かいに住む家族の目線で解明されていく。

殺人事件を取り巻く、それぞれの家族が抱える問題__

 

殺人事件の起きた高橋家を含め、

遠藤家、小島家、鈴木家と色んな登場人物の目線になってお話が進んでいくの。

一人ひとりの見ているもの、聞いている音、感情は他人から見ると全く違う世界だということがよーくわかる。

そんなこと他人だから当たり前だよねと思っていても、それぞれの目線で読むことで改めて痛感させられる。

そして、そのどれにも共感するし、軽蔑する。

 

自分が悪いんだと自分の責任にすることも、

他人が悪いんだと他人の責任にすることも、

被害者、加害者、被害者家族、加害者家族にしかわからない。

それなのに、それ以外の”ボウカンシャ”や”ヤジウマ”って一体なに。

何もわからないのに、何がわかるっていうのだろうか。

 

「母の気持ちを想像するのはやめてください」

「誰がどんなに想像しても、母のことは本人にしかわかりません」

「僕たち子供にもわかりません」

高橋家の良幸の言葉が突き刺ささる...

 

噂や創造、固定観念であることないこと集りまくる。

そういう人間の怖さをヒシヒシと感じました。

 

さ、さすが、ミ、湊かなえさんデスネ...

いやーなおもたーい気持ちになりましたよ...

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ラストレター

【ラストレター  岩井俊二

 

ー手紙でつながる過去と未来

 

未咲は死んだ。

そのことを知らずに中学の同窓会に参加した_鏡太郎と、

未咲乃フリをして同窓会に参加した未咲の妹_裕里

 

同窓会が終わった後、ひょんなことから裕里の鏡太郎への一方的な文通が始まる。

 

鏡太郎は送り主が未咲本人ではなく裕里であることを解っている。

かく言う裕里はそんなことともつゆ知らず、未咲として手紙を送り続ける。

 

切ない。

 

鏡太郎が未咲を想い続けていること。

そんな未咲の言葉を信じて小説家になり、未咲のお話を書いていたこと。

そしてその未咲が死んだこと。

 

とにかく切ない。

 

人が亡くなった時、悲しいという感情よりも虚無が勝るのだろうか。

登場人物みんな未咲が亡くなって悲しいとか、辛いとか、涙を流す描写がその時になかったから...

でも深ーーーーくにはきっとあるような気がしていて、それがそれぞれの”手紙”って形になったのかしら。

裕里だけでなく、娘の鮎美や颯香も。

 

未咲は遺書になぜ答辞を残したのかしら。

意図せず鏡太郎や裕里や娘たちの想いに応える形になったのだろうか...

 

言葉足らずな私の浅はかな考えでごめんなさい。

 

亡くなった人を想い続ける限り、

その想いが引き継がれる限り、

裕里が言うように心の中にいてくれるのかな。

 

そうだったらいいなぁ

なんて、私も想うのです。

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すまきの中は、完全無欠の愛の場所

【僕の好きな人が、よく眠れますように  中村航

 

 

ー許されない恋なんて、気にならないわけがないじゃない

 

皆様、ラブストーリーのお時間ですよ。

ええ、私普段は恋愛小説も恋愛ドラマも映画もあまり興味を示しませんが、

なぜか今日はコイとかアイだとかのお話を読みたくなったのです。

 

正直、もっと可愛らしいスキッッくらいのお話かなぁと思っていたのね。

そしたら、まぁaaaaaaaaaaaaaaa燃え上がるような愛の話。

 

主人公は大学院で研究を行う_山田

そこへ北海道から一年間勉強でやって来た_恵

もうね、言っちゃうよ。今日は。

恵には北海道に旦那がいるの。🫣

でもどうしようもなく山田は恵のことが好き。

って口走ってしまうも、なんと恵の気持ちも山田と一緒。

 

おぉ神よ。

許されざる愛の始まりですぞ...

 

ここから二人の関係が始まるのだけども、

この二人の愛情表現がなんとも可笑しい。

好きスパーク...好きレボリューション...

はちみつより好き...すきやきより好き...

痛いくらいの愛情表現。

それでもなんだか二人が愛おしく見えて、少し哀しくも聞こえる。

 

なんだかラットやマウスのようだからさぁ。

研究で命を落とすという命の期限が決められているように、この二人の関係の期限も決められている。

それでもラットやマウスと違うのは、自分自身が期限がいつまでなのか解っていることと、あわよくばその期限をなくすこともできる。

 

二人がどうやって終わりを迎えるのか、

それとも二人の始まりになるのか...

 

きっといけないことだと解って読んでいても、二人の愛情には胸が熱くなる。

いいなぁ、こんなに好きって言われてみたいわぁ

 

タイトルに合わせて、眠りにつく前のこの時間に読んでみたの。

私も、私の好きな人がよく眠れますように...zzz

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別れと後悔と、カメレオンと

【世界のすべてのさよなら  白岩玄

 

 

ー流れていく時間や人の中で、変わるものと変わらないもの

 

30歳になった4人の同級生のお話。

一人ずつを切り取った4つの構成。

短編ではなく、お話ごとに関係性があったりして読み進めると当時に時間も流れていきます。

 

仕事も結婚も真摯に向き合おうとする_悠

ダメ男に振り回されて本当の幸せを模索する_翠

画家としてひたむきに突き進む_竜平

自分と向き合いながら生きる_瑛一

 

4人が4人とも悩みを抱えていて、もがき続けている真っただ中。

別れや後悔....一難去ってまた一難。

ぶっちゃけありえない♪

 

じゃなくて。

そういった、時間の流れや人の流れが非常に鮮明に読み取れる。

でもなぜか過ぎていくからこそ愛おしく感じることもあるなぁとも思ったの。

 

日々変化していく時間や人

その中でも変わらない4人の関係性

非対称的な部分が更にお話を引き立てる。

 

「人生は痛みによってそれらしくなっていくんだよ」

”痛み”かぁ...

翠がたくさんダメ男に出会ったことも、

竜平が足を切断する少女に出会ったことも、

瑛一が悠に、悠が瑛一に出会ったことも、

その人たちと過ごした時間も”痛み”になるのかな....

 

それなら私の”痛み”ってなんだろう。

これからも”痛み”を負いながら歩いていくのだろうか。

 

誰も自分の明日なんてわからないから、

過去にも未来にも囚われずに、きっと今を大事に生きなくちゃよね。

 

(と言いつつ、堅実に貯金をしているのであった。)

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来い!クラゲ!

【晴れ、時々くらげを呼ぶ  鯨井あめ】

 

ー一緒に世界に迷惑をかけよう

 

秋の夜長にこんばんは。

時刻はすっかり子の刻を過ぎ、辺りは虫の大合唱祭。

 

今日はクラゲを降らせたい高校生のお話。

....そうよ??クラゲ乞いよ??

なんじゃ、クラゲ乞いを知らないのかね??

私も知らないです。いえ、”知らなかった”という方が正しいかしらね。

 

クラゲを降らせたい。

それだけを想い続ける内容になぜか引き込まれていく。

 

そして、お話のキーワードは『迷惑』

主人公・亨が父親から最期に言われた言葉「迷惑かけてごめんな」

世界中に迷惑をかけたい亨の後輩・小崎

 

迷惑めいわくメイワクメイワクメイワクメイワク...

迷惑をかけるって一体何だろう??

迷惑は善なのか、悪なのか??

”迷惑をかけること”と”クラゲを降らせること”に何の共通点があるのだろう??

 

現実とファンタシーが上手く融合していて、美しい。

一見ありえないようなことだが、どうなっていくのか気になってしまう。

 

作中のクラゲは気象の影響で降ったのか。

それとも、理不尽を、辛くてたまらない今を乗り越えたくて降ったのか。

そんなことをぼんやり考えております。

 

あとは他に、作中にたくさん本が登場するのとキャラクターがなんか、良い。

特に矢延先輩がお気に入り。

亨の一つ上で、図書委員の作業場の司書室で受験勉強のためにそこにほぼ住み着いている人物なんだけども、

おもしろおかしく大事なことを伝えようとしてくれたりとか、

本からの引用だけでなく持論もしっかりと持っているところとか、

こんな先輩欲しかったで賞をあげたいくらい。

 

矢延先輩が、本のことを

「枕元に置いておきたい芸術」

って表現するのね。

まさしくそれ。それなの、それすぎるの。

 

この本も、そんな一冊....zzz

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