ワタシノアタマノナカ

大人の読書感想文

人間

【人間 又吉直樹

 

そもそも、人間って...

 

最初にごめんなさい、順番とかすっ飛ばして目についたのがこの作品だったので、又吉さんの作品はこれが初になります。スマネェ

 

なんだろうか、この作品の読み終わりを悟ったかのように一斉にコオロギが。

もう秋なのですね🍂

 

秋のお告げに身を任せ、この作品の余韻に浸ろうと思います...

 

大まかに二つほどにまとまればいいな、(まとまるかな)

まずは作品についてよね。

 

個性、順応、天才、平凡、自律、依存、肩書き、名誉、自分、他人...

この本の中ではそれらがぐるぐると渦巻いているように感じたの。

なので色んな箇所で色んな言葉に引っかかる。

必ずどこかで触れている。

これはここと繋がって、ここはさっきのあそこと...?

クロスワードのよう。

 

『人間をやるのが下手なのではないか』

この一文には衝撃を受けました。

あァ、"やる"ものとしての捉え方か...と。

"やるもの””やらないもの"として考えた時に再度登場人物たちを見てみると、また違うものが見えてきて非常に面白い。

 

その中でもお父さんは印象的。

主人公やその他東京の登場人物たちの"人間をやる"

お父さんの"人間をやる"

正解はないのかもしれないけど、これを考えてみた時にこの本にほんのちょっぴり近づけた気がした。

 

大まかな二つ目は又吉さん。

最初にもある通り、又吉さんの作品を読んだのは初めましてですが、言葉選びが本当に素敵な方だなあと感じました。

私事ながら、ものすごく好きです。

 

散々泣き終えたような心地よい気だるさ...

踏むことのなかった犬のクソみたいな人生...

比喩表現がなんとも心に何かを残す。

 

匂い、感覚、音、見ているもの...

事細かく書かれていて、想像が膨らむのなんのって、爆発するって。

読み手に色んな想像をさせる表現力が良いなあなんていっちょ前に思って読ませていただきました。

 

素敵に言葉たちを操りつつ、人間の美しくない部分も表現しているようで。

そう考えた時にはもう、影島のように踊りだしそうになりました。

(頭の中では完全にダンシングよね)

 

「想像力と優しさが欠落したただの豚」

には個人的になりたくはないので、今日はここらで失礼...👋

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