ワタシはピカソにはなれない
【ピカソになれない私たち 一色さゆり】
ー美術を通して語りかけられる自分と向き合うことの大切さ
私の才能ってなんだろう?
そもそも才能ってなに?
本当の自分って何なんだろう...?
私自身もこんな風に自分と向き合う機会が一定期間あり、最近少しだけ土から顔を出すことができたかなと思い始めた時に出会った一冊。
題名と表紙のデザインに惹かれて思わず手にとりました。
舞台は東京美術大学。
(昨日も美術に精通する人物のお話だったので、なんだかシンクロニシティを感じるの...)
他者の力で評価されて生きる詩乃
戦略的に個性を纏う和美
何に対しても中途半端な太郎
前進に悩む望音
4人がとある教授のゼミに入る春から始まるお話。
私自身も悩んでいた事だからこそ4人に共通して見えるのは、
"自分"がないこと。
あるとか、ないとか、本当は自分は存在するものではないのかもしれないけど、
それでもそれぞれが他人だったり、過去だったり、
今の"自分"を生きていないように感じたの。
それが読み進むにつれて、
本人たちの葛藤だったり絶望、苦しみ、悔しさが溢れて溢れて、
溢れついた先に変化していく。
なんだかそのそれが、美しく思えて。
"作品の美しさ"と"自分の美しさ”が相まってより美しさが映えるような。
(美術の美の字も知らない私がどうも失礼いたしやす、そんな感じよ)
本人たちの「自分とは」という問いに奮い立たされるように、気づけば読みながら私の中の自分も改めて考えていました。
作中に絵画などの芸術作品も豊富に登場するので、
なんでこんなに知っていらっしゃるのかしら...
と疑問に思っていたら、最後のページに
.....
現在は美術館で学芸員として勤務しながら執筆活動を続けている」
スゴイカタダッタ~~~
ズボンのチャック全開で電車に乗った時くらいお恥ずかしいったらありゃしない。
チャックを閉めて今日はこのくらいで👋