ワタシノアタマノナカ

大人の読書感想文

鳴らせ、自分のテーマソングを

【心配しないで、モンスター  平安寿子

 

ー9つの音楽に乗って、少しだけ前進してみない?

 

宇宙人...モンスター...

この作品は一体何が書かれているんでしょ...

と不思議に思って手にとった一冊。

 

まずは、9つのお話で構成されています。

それぞれの題名に好奇心が止まらないの。

 

 丘の上の馬鹿になりなさい

 わけあって、舟唄

 黒魔女の女とお呼び

 夢路はどこにあるの

 夕星に歌う

 UFOに乗ってモンスターが行くぞ

 わたしだって、いつかはプリキュア

 真夏の果実はかじりかけ

 心配しないでベイビー、やっていけるから

 

....素敵すぎない????

 

まるで9人の生活をこっそり覗き見している気分🫣

一人ひとりの苦悩や葛藤があって、それをちょっとだけ乗り越えていく。

それだけじゃないの。

そんな自分でもいいじゃないかハハッって思わせてくれる秘密があるの。

 

一番心にぶっ刺さったのは、「UFOに乗ってモンスターが行くぞ」

女装が好きな男の子のお話で、そんな自分と世間からの目を乗り越えるお話。

作中にピンク・レディーさんのUFOの歌詞が出てくるんだけども、

読んでびっくり。

確かに、そういう意味も込められていたのかと気づいた時にはもう鳥肌🐓

主人公への共感の気持ちもあり、応援したくなるような、そんなお話。

 

ピンク・レディさん含め、9つのお話それぞれにそれぞれの「音楽」が紐づけられているってのが最高に心惹かれた部分でもあって。

 

J-pop、洋楽、クラシック、ロック、演歌からアニソンまで...

音楽がお話を盛り上げてくれるのよ、これが👏

 

いきなりおばさんの女心の話から始まるので、

(これ読む本間違えたかな...)と内心思っていたのは内緒ですが、

ところがどっこい、読んでみると登場する9人には連続性があって、

めちゃくちゃ引き込まれるし、めちゃくちゃ面白い。

 

すごくパワーを貰ったZE!!というよりも、

あ、こんな自分でもまぁいっかな。

って。

 

私のテーマソングってなんだろうなぁ🤔

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